銀行の巨人であるモルガン・スタンレーのアナリストは、投資家がより安く、より速い競合通貨に目を向けるにつれて、主要なアルトコインであるイーサリアム(ETH)の市場シェアが減少する可能性があると発言しています。
新しいレポートの中で、投資ストラテジストのDenny Galindo氏が、スケーラビリティの問題に加えて、将来の規制、競合通貨などとの激しい競争に直面する可能性に言及し、トップスマートコントラクトプラットフォームであるイーサリアムの弱気相場ケースに関して詳しく説明しています。
「イーサリアムは、ビットコインが価値の保全場所市場で直面するよりも、スマートコントラクト市場において、より多くの競争に直面しています。イーサリアムは、スマートコントラクトプラットフォームの市場シェアを、より高速で、又はより安価な代替手段の競合通貨に奪われてしまう可能性があります。」
著名なイーサリアムの代替可能な競合通貨には、Avalanche(AVAX)、Solana(SOL)、Cardano(ADA)、Terra(LUNA)、Polkadot(DOT)、およびAlgrand(ALGO)があります。
Galindo氏は、時価総額で2番目に大きい暗号資産であるイーサリアムには、オンチェーンの混雑とその高い取引手数料の為、スケーラビリティに問題がある可能性があると付け加えています。彼は、ETHがアップグレードしない場合、最終的にはETHが自身のリソースを上回る可能性があると発言しています。
「2番目の主要なイーサリアム固有のリスクは、ブロックチェーンの肥大化とスケーラビリティです。ブロックチェーンは、冗長性が組み込まれている為、基本的に高価なテクノロジーです。
グローバルなスマートコントラクトプラットフォームになる為に、イーサリアムは非常に大量のデータ(主に各スマートコントラクトの変数)を保存する必要があり、又、潜在的な代替手段である競合通貨よりも、トランザクションが高速で安価である必要があります。
時間が経つにつれて、イーサリアムのストレージ需要は、万が一変更されない限り、そのリソースを超える可能性があるでしょう。」
アナリストである彼は又、今後の規制がイーサリアムの分散型金融(DeFi)および非代替トークン(NFT)市場に直接影響を与える可能性がある事に言及しています。
「規制環境の変化は、別の大きなリスクをもたらします。イーサリアムでの活動の多くは、DeFiとNFTで行われています。そして、これらの2つの分野では、規制が急速に進化しています。金融などの特定の市場セグメントがイーサリアムを利用する事を制限または排除する規制は、イーサリアム取引の需要を減らす可能性があります。」
イーサリアムは、この記事執筆時点で2,654ドルで取引されており、過去24時間で6.31%下落しています。